八丈八景

八丈八景

1.大坂夕照

Googleマップでは大坂トンネルの展望で検索すると出てくる場所。
旧道沿いに駐車場があり展望台となっていますが、新しい道の大坂橋があるため横断報道を渡り欄干から景色を見るのがオススメです。
一角に男女兼用のバイオマストイレがあります。
夕日が見渡せることから夕照となっていますが、冬至に近い時期は太陽が南回帰線に向かうため丘影になり横間橋の方に降りていかないと見えません(汗)

レンタカーがあれば気軽に行けるオススメの見晴らしの良い場所です。
レンタサイクルでは電動アシストでも標高50mから130mの約80mの標高差を登ってくるのでキツイかも!?
町営バスでは大里バス停から1kmくらい登ってくるか、伊郷名バス停から大坂トンネルを400mくらいですが大坂トンネルは歩道がないので気を付けてください。

大坂峠展望台から見る八丈富士と八丈小島

2.大里晩鐘

江戸時代には大里に陣屋がありここが政治の中心地でした。
2kmほど離れた横間海岸に安山岩が荒波で転がり丸くなった玉石が転がっており、流人に1個運べば1個おにぎりを上げて玉石垣を作ったという逸話もあります。
玉石と土だけで組み上げられていますが、ひとつの石を六角形で6つの石で囲んで組み上げる六方積みという組み方で安定した石垣になっているそうです。今で言うハニカム構造ってやつですかね!?
大里地区には陣屋の他に島の総鎮守である優婆夷宝明神社や宗福寺と長楽寺があり、晩に響く鐘の音が風流だったようですよ。
現在は宗福寺と長楽寺は他の場所に移転しています。

3.前崎晴嵐

八丈島は黒潮の通り道でその影響で風が強い日が多いです。特に冬は季節風が加わり強い西風が吹き、島の西側に位置するため影響をモロに受けます。
前崎現在では八重根は、客船や貨物船が着く旧八重根港と少し離れて漁港があります。
江戸時代はすぐ上に陣屋が幕府御用船が陸揚げされ栄えていました。
嵐の日でなく晴れていても嵐のような強い風が吹くことが多いため晴嵐と詠まれたようです。

晴嵐風景

4.藍ヶ江落雁

藍ヶ江の海の色は八丈島の海の色八丈ブルーと一味違って群青を溶いたような藍色です。
三原川や安川の川の水と裏見ヶ滝温泉や中之郷温泉やすらぎの湯の温泉成分が混じってくるからかと思われます。
この藍色の海の上を渡り鳥の雁が飛んでいく様子が風流だったようです。

5.西山暮雪

八丈富士は通称名で、本当の山名は西山になります。
緯度的には長崎県佐世保市と同じくらいですが、暖流である黒潮の影響で気温がそれほど下がりません。
しかし、強い寒気が入り南岸低気圧がある場合は八丈島でもみぞれや雪がうっすらと降り、八丈富士も雪化粧をすることがあります。
春にはオオシマザクラが咲き乱れ山麓がうっすらと白くなります。

6.名古秋月

名古の展望も大坂の展望同様、見晴らしのとても良い場所です。
眼下に洞輪沢港を俯瞰して海に突き出た小岩戸ケ鼻と太平洋に浮かぶ青ヶ島を見渡せる場所です。
ここから見る月の出はとてもキレイに見えるとのこと。
ここ末吉地区では秋の二十六夜に六夜様というイベントがあり、深夜に出てくる逆さ三日月が海浮かぶ宝船に見えるとのこと。雲がかかることが多い八丈島では滅多に見れません。

7.神湊帰帆

神湊と道路を挟んだ反対側にある小高い丘(火立て場)から夕方帰り来る船の美しさを見て詠ったものと言われています。
神湊の名前の由来は、遭難していた船が神に祈ったところ頂が光り輝く山を見つけそれを目指して着いた港で神の思し召しで生還できたので神湊となり光っていた山は神止山と名付けられたとか。
遭難していた乗組員たちは沖から山を目指したので沖山と改名したという逸話もあります。

8.尾端夜雨

尾端観音堂があり、夜の春雨が庵や松に滴り霞む花が風流だったようです。
雨の多い八丈島。雨の日は尾端観音堂を訪れてみては!?