八丈島の温泉

八丈島の温泉概要

八丈島の温泉は島の南東側(三原山の南東)にしかありません。
一般に観光客が宿泊する宿は、坂下と呼ばれる八丈富士と三原山に挟まれた空港のある三根・大賀郷地区に集中しています。
それに対して温泉は、坂上と呼ばれる三原山南東の樫立・中之郷・末吉に点在しています。
坂上に行くには三原山を迂回する大坂峠ルートと登龍峠ルートがありますが、登龍峠ルートはその名の通り龍が天に登って行くようにくねくねとした峠道で事故が多く携帯電話の電波も入らないところがほとんどなので、大坂峠ルートの横間橋・逢坂橋・大坂トンネルを抜けて坂上に行くのがオススメです。
ちなみに大坂トンネルの手前にある大坂峠展望台から見る景色は「八丈八景」のひとつで、八丈富士・八丈小島・太平洋とが見渡せる絶景です。
登龍峠ルートはあまりにも観光客の事故が多いので、レンタカー屋さんによっては登龍道路の走行を禁止していますが、登龍峠展望台の景色はオススメです。

八丈島の温泉はすべて町営で安価(300円~500円)で入ることができます。
また無料の温泉2箇所と足湯が1箇所あります。
温泉を満喫したいのであれば、購入日から2日間バス乗り放題・温泉入り放題のお得なチケットBU・S・PAが、大人1,000円・小学生500円で購入できるのでオススメです。

レンタカー借りるので町営バスのフリーパスは要らないって方には温泉一日周遊券もあります。
こちらは1日のみ3箇所の温泉施設が各1回大人600円・小学生200円で入ることができます。
なので、2日間入りたいなら町営バスを使わなくとも断然BU・S・PAがオススメです。
購入方法は、BU・S・PAは町営バス受付とバス車内、それからスマホで購入する方法があります。(「乗換案内」のアプリをダウンロードする必要があります)
温泉一日周遊券は各温泉施設と町役場福祉健康課での購入になります。
みはらしの湯とふれあいの湯にはバス停がありますが、やすらぎの湯は近くのバス停から30分ほど行きは下り坂・帰りは登り坂を歩くことになります。

各案内には町営の有料温泉4箇所となっており、ブルーポートスパ・ザ・BOONは休業中となっていますが3年以上休業しており町も直す予定はないと公言しましたので、実際の有料温泉は3箇所です。

みはらしの湯

八丈島で人気ナンバー1の末吉地区にある温泉施設。
その名の通り高台にあり露天風呂からのみはらしがとても良い温泉です。
パンフレットに載っている大きいひょうたん型の露天風呂は、男湯・女湯日替わりになっており、奇数日が男湯・偶数日が女湯になります。
泉質は、含ヨウ素-ナトリウム-塩化物強塩と強い塩の温泉になります。
塩分パックの「熱の湯」/殺菌効果の「傷の湯」、含ヨウ素は「殺菌の湯」
料金は大人500円/小学生200円。
営業時間:10:30~21:30(入21:00迄)
定休日:火曜日

裏見ヶ滝温泉

人気ナンバー2の中之郷地区にある温泉。
裏見ヶ滝の下流ジャングルの中にある、混浴の露天風呂ひとつのみの野性味あふれる無料温泉です。
泉質は、ナトリウム-塩化物強塩。
塩分パックの「熱の湯」/殺菌効果の「傷の湯」
混浴なので水着着用が必須になります。裏見ヶ滝温泉に入りたい方は水着を持ってくるのをお忘れなく。
無料の温泉は源泉かけ流しでそのまま垂れ流しなので、ボディーソープやシャンプーなどの洗剤類は使えません。
また脱衣所は男女合わせて1箇所のみです。ドアが閉まっている場合はノックして確認してから利用してください。脱衣所を利用したあと誰もいない場合はドアを開放しておいてくださいね。
気になる方は道路向かいの公衆トイレに男女別の脱衣スペースがあるのでそちらを利用しましょう。

ふれあいの湯

人気ナンバー3の樫立地区にある温泉施設。
坂下から一番近い温泉施設で島人の利用率が高い温泉になります。
島人と交流したい人はこの温泉が良いかもです。

ちなみに沖縄では島人を「しまんちゅ」と言いますが、東京諸島(伊豆諸島・小笠原諸島)では「しまじん」と言っています。
泉質は、ナトリウム-塩化物強塩。
塩分パックの「熱の湯」/殺菌効果の「傷の湯」
内風呂は檜造りで風情のある温泉施設で露天風呂もあります。
料金は大人300円/小学生100円。
営業時間:10:00~22:00(入21:30迄)
定休日:月曜日

やすらぎの湯

中之郷地区にある温泉施設。
バス停から距離があり内風呂しかないため人気がありませんが、ガラス張りの内風呂からは藍ヶ江の海が見渡せのんびりと湯に浸かりたい方にオススメです。

藍ヶ江も八丈八景の一つになります。
また、泉質がナトリウム-塩化物で、他の塩化物強塩の温泉より肌が弱い方に優しい泉質です。
料金は大人300円/小学生100円。
営業時間:10:00~21:00(入20:30迄)
定休日:木曜日

洞輪沢温泉

末吉地区にある無料温泉施設。
街から最も遠い場所にあるため利用者が少ないですが、八丈島で唯一泉質が塩化物ではなくカルシウム・ナトリウム炭酸水素塩になり、角質を軟化させる「美肌の湯」です。
もともと地元の漁師たちが利用していた温泉ですが、昭和53年に一般の人達にも開放して現在は近くに島唯一のサーフィンスポット汐間海岸があるためサーファーの利用が多いです。

足湯きらめき

中之郷地区藍ヶ江港にある足湯。
源泉はやすらぎの湯とおんなじ。
12月~3月はザトウクジラが回遊しているため足湯に浸かりながら、ブリーチング・テールスラップ・ブローなどホエールウォッチングが楽しめます。
双眼鏡を持ってくるといいですね。
また、近くに「aigae stand」がありお弁当やトロピカルなドリンクも売っています。(テイクアウト専門店)

八丈島の各温泉成分

下に詳細な温泉成分表を貼り付けています。
温泉豆知識
温泉にある成分分析表などには、3つの指標があります。
例としてみはらしの湯では高張性中性高温泉となっています。
①高張性とは浸透圧のことで、人の身体より浸透圧が高いので浸透しやすいということになります。他に等張性と低張性があり、高張性は湯当たりしやすく低張性は優しい湯になり等張性はその中間です。
②中性とは水素イオン濃度のことで、pH(ペーハー)が0~6は酸性・7が中性・8~14がアルカリ性となり、人の身体は弱酸性なので中性付近からやや酸性が優しい温泉、酸性の温泉は殺菌力があるため皮膚病に良く古い肌を剥がし新しい肌に刺激を与えて自然治癒力を高める効果があり、アルカリ性の温泉は皮脂を溶かし角質層を軟化させるため肌がすべすべになり美肌効果がみられます。
③高温泉とは源泉温度が42度以上、他に25度未満は「冷鉱泉」、25度以上34度未満は「低温泉(微温泉)」、34度以上42度未満は「温泉」となります。
ですので、みはらしの湯は浸透圧が高いので温泉成分が浸透しやすいが中性なので肌には優しく熱めの温泉になります。また泉質が含ヨウ素-ナトリウム-塩化物強塩なので、強い塩の温泉で塩分パックの「熱の湯」/殺菌効果の「傷の湯」、含ヨウ素は「殺菌の湯」と中性ですが殺菌力の強い温泉となります。

温泉名みはらしの湯やすらぎの湯ふれあいの湯裏見ヶ滝温泉洞輪沢
温泉
源泉名末吉かん沢温泉中之郷
温泉
樫立向里温泉中之郷
尾越温泉
洞輪沢
温泉
泉温47.5℃44.8℃58.0℃64.3℃41.2℃
湧出量500L550L290L420L150L
水素イオン濃度pH7.0pH6.4pH6.2pH6.7pH7.8
泉質含ヨウ素-ナトリウム-塩化物強塩ナトリウム-塩化物ナトリウム-塩化物強塩ナトリウム-塩化物強塩カルシウム・ナトリウム炭酸水素塩
等張性&イオンバランス高張性
中性
高温泉
等張性
中性
高温泉
高張性
中性
高温泉
高張性
中性
高温泉
低張性
弱アルカリ性
温泉
陽イオン水素H+
リチウムLi+
ナトリウムNa+11300.02403.010530.07680.0125.6
カリウムK+306.0122.4459.0324.712.1
アンモニウムNH4+0.10.40.10.10.1
マグネシウムMg2+633.0278.21138.0953.538.2
カルシウムCa2+1567.0458.8598.8369.5151.4
ストロンチウムSr2+
バリウムBa2+
アルミニウムAl3+0.10.10.10.10.5
マンガンMn2+12.53.51.81.61.7
鉄ⅡFe2+1.80.32.51.80.2
鉄ⅢFe3+
Cu2+
亜鉛Zn2+
陰イオンフッ化物F-0.10.20.20.40.1
塩化物Cl-20120.04907.018810.013590.0208.8
臭化物Br-66.516.964.347.40.1
ヨウ化物I-15.41.01.50.80.1
亜硝酸NO2-
硝酸NO3-0.3
水酸化物OH-
硫化水素HS-0.10.10.10.20.1
硫酸水素HSO4-
硫酸SO42-2641.0510.02281.01997.0163.7
リン酸水素HPO42-
炭酸水素HCO3-104.9370.4295.9626.6448.5
炭酸CO32-0.10.10.10.11.2
メタケイ酸HSiO3-
メタホウ酸BO2-
非解離成分メタケイ酸H2SiO391.9133.8137.5140.4140.5
メタホウ酸HBO244.956.845.645.15.1
メタ亜ヒ酸HAsO20.40.40.1
リン酸H3PO4
硝酸H2SO4
溶存
ガス
二酸化炭素CO224.2201.1115.714.1
硫化水素H2S0.10.10.10.1